Shiho Toyonaga

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豊永志帆プロインタビュー(前編)

豊永志帆プロインタビュー(前編)

春先は順調なスタートだったがケガで調子を崩してしまった

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2015年シーズンの出場権をかけた予選会のファイナルクォリファイングトーナメント(QT)で56位という結果に終わり、今季は何試合に出場できるか分からない状態で開幕を迎えた豊永志帆プロ。ツアーになかなか定着できない現状を打破するため、今オフには新しい取り組みを始めたという。

「ショートゲームをもっと磨きたいと思い、ショートゲームを教えるのがうまいと聞いていたツアープロコーチの石井忍さんに習い始めました」

石井は日本大学ゴルフ部を経てツアーに挑戦した後、ツアープロコーチとしての活動を開始。男子ツアーの久保谷健一や薗田峻輔、女子ツアーの金田久美子などの指導で実績がある。

「私はそれまで、アプローチはサンドウェッジ1本しか使わなかったんですが、忍さんにショートゲームを教えてもらうようになって、いろんなクラブでいろんな打ち方を練習するようになりました。その打ち方を試合で試す勇気はまだないのですが、いろんな打ち方を練習に取り入れることで、サンドウェッジの基本的な打ち方もよくなってきました」

練習の成果は春先にさっそく表れた。開幕戦のダイキンオーキッドレディスゴルフトーナメントから3試合連続で予選を通過すると、自身4戦目のヤマハレディースオープン葛城では初日を2アンダーの6位タイで好スタート。2日目と3日目もツアー屈指の難コースである葛城ゴルフ倶楽部で粘り強くプレーし、最終日もスコアをまとめて5位タイでフィニッシュすることができた。

「今年の春先はすごく調子がよくて、ヤマハで早めにトップテンに入れたので、例年よりも少しレベルが上がったのかなと思いました。調子がいい中で分かったのは、やっぱりパターが入ったときやグリーンを外してでもリカバリーできたときに、スコアがまとまって成績につながるので、ショートゲームを安定させることは大事なんだなと思いました」

しかし、せっかく好調をキープしていたのに、試合に出られない時期にトレーニング量を増やしたところ、オーバーワークになってしまい、ケガが多くなってしまったという。なかなか試合に出られない気持ちの焦りがあったのかもしれない。4月のフジサンケイレディスクラシック、5月のほけんの窓口レディース、6月のヨネックスレディスゴルフトーナメントの3試合で棄権を余儀なくされ、苦しい日々が続いた。



サードQT敗退のピンチをしのいで来季はフル出場できる順位を確保

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ケガの状態は後半戦になっても好転せず、手首にテーピングを巻いてプレーを続けたが、思うような成績は残せなかった。開幕当初は少ない試合数でも賞金シードを獲得したいと意気込んでいたが、体調が整わないまま夏場を迎えたあたりで、今年もQTに行くことになるだろうということは覚悟していたという。

ただし、QTに行くとしても、セカンドステージからになるのか、サードステージからになるのか、ファイナルステージだけでいいのか、3段階のどれになるかは大きな分かれ目だった。セカンドQTが免除になり、サードQTから受験できるのは、「樋口久子Pontaレディス終了時点で賞金ランキング70位以内」。サードQTが免除になり、ファイナルQTから受験できるのは、「大王製紙エリエールレディスオープン終了時点で賞金ランキング50名の次点者で、永久シード選手及び複数年シード選手を除く上位5名」という条件だった。豊永プロはファイナルQTの受験資格には届かなったが、サードQTの受験資格を確保して、11月24~26日の3日間に行われたサードQTをB地区のベルフラワーカントリー倶楽部(岐阜県)で受験することになった。

過去の実績から見れば、サードQTは順調にクリアして、勝負の舞台はファイナルQTと思われたが、サードQTで豊永プロは思わぬ苦戦を強いられることになる。初日はイーブンパー72で32位タイとまずまずのスタートだったが、2日目に6オーバー78とスコアを崩して88位タイ。サードQT敗退の大ピンチに陥った。

「サードQTは無難に通りたいというか、あまり気負わずにやりたいと思っていたんですけど、やっぱりQTは普段の試合とは違った緊張感があって、2日目はボギーが先行して焦ってしまい、何もかもうまくいかなくなってしまいました」

と当時の状況を振り返って苦笑いを浮かべる。だが、ピンチに陥ってもサードQTで敗退することはまったく考えていなかったという。

「自分がサードQTで落ちる姿は想像できなくて、どうせ通ってもみんなに怒られるんだろうなと思いながら最終日をプレーしました(笑)」

腹をくくって臨んだ最終日は、4アンダー68と見事に巻き返しを図り、42位にジャンプアップ。カットラインを1打上回り、最大のピンチを切り抜けた。サードQTを通過しても周囲から怒られたのは予想どおりだったというが、ここで大きな山場をクリアして勢いがついたのか、ファイナルQTはそれほど緊張せず4日間を戦い、11位でフィニッシュ。2016年シーズンはほぼフル出場できることになった。